「ね、ギイ・・・僕さ、抱く側に回ったこと無いんだよね・・・」

事後。
可憐な恋人がベッドで言った。

「うん?・・・うん」

なんだ、どうした。今までこんなこと言いださなかったのに、もしやこれは話の流れ的に・・・

「だからね、ギイ、一回抱かせて」

やっぱりそう来るか!!

確かに託生と恋人同士になる前は、託生がどうしてもと望むなら考えない事もないと悩んだこともあったが、でも今は。
目の前の可愛い顔とつるつるの卵肌。ピンク色の唇。ほっそりした肢体。
真剣に見つめてくる、綺麗すぎる澄んだ黒い両の瞳。

抱かれる?
いや。
『抱く』だろう、この体は。この存在は。

託生は本気なのか?
だったら俺も本気だ。
俺は、『抱きたい』。抱きしめて、ずっとずっと腕の中にいてほしい、可愛がりたい、守りたい。
・・・誰にも渡したくない。 

「ふ、ふふふふふ!ギイ、その顔!」

恋人がいきなり吹き出してうつ伏せになって笑いだした。

「お前っ・・・まさか、今の冗談」
「だよ、もちろん。僕がそんなこと考えるはずないだろ、とてもリードできる自信ないし」

一瞬真剣に悩んでしまったぞ、このヤロウ。

ほっと一息ついて、額に手を遣った俺を託生は笑った涙の痕が滲む瞳で見つめてきた。

「ギイは僕を『抱きたい』んだろう?だからずっとそうして。ね?」
「ああ、もちろんだ」

託生、お前は、気付いているんだな。
俺がお前をずっと腕の中に、閉じ込めてしまいたい、と願っていることを。
そしてお前は敢えてそれに甘んじてくれるんだ。
もう、その覚悟をしてくれているんだ。 

ああ、託生。
ずっと俺だけのものでいてくれ。
例えこの腕がお前にとって鳥籠だったとしても、それでも俺はこのケージの扉を開けてやることはできないよ。
この先、一生。

愛おしさがこみ上げる。
俺の愛の形を受け入れてくれるお前に。

 

「な、託生。もう一度」



 

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ちょっと落ち込んだことがありまして・・・といっても何か失敗したとかではないんですが、気持ちを切り替える必要があり、しばらく色んな事考えて過ごしてました。
少しずつ浮上しながら、考え事してます~(^^)前向きにいきます。
そんな中、思いついた、超ショートでした。
私が思う、二人の関係です。ギイ、今度こそ手放さないでよ~。


Special~2につきまして、拍手ありがとうございました!
>Hさま、第二弾待っていてくださってありがとうございますー♪♪♪ 
 
また、しのさま、rinさま、ちーさま、かなさま、ラッキーさま、コメントありがとうございました!
around70だろーが、微笑み一つで、いや多分そこに立ってるだけでイケメンを釣り上げてくる託生さんをまた書きたいです。
あ、もちろんこのお話は3に続きます。