※女体化注意です。







「タクミ、このまま一人でいたら危ないから、俺が一緒にいる」 
「いや、それは悪いから・・・」
「だめだ!さっきみたいなのがきたら、困るだろう」

ギイと名乗った男はおもむろにパーカーを脱ぐと、託生の肩に掛けた。

「そんなに・・・その・・・綺麗なカラダを見せてたら、目に毒だから」
「いや、そんな大したカラダじゃないけど・・・ありがとう」

脱ぎかけるが、せっかくの好意だし、と思い直して、はおり直した。
そして、男の思惑にはまったことに気が付いた。

着ている限りは男と行動を共にしなければいけない気がする。

「あの、やっぱり」
「ほら、ジッパー」

ギイはパーカーを脱ぐ素振りを見せた託生を無視して、ジッパーを閉めようとした。
だが、状況が状況なだけに、傍目には脱がせようとしているように見えてしまった。

「貴様!僕の恋人に何をしている!!」

奇しくも先ほどのギイと同じせりふが飛んでくる。
懐かしい響きに振り向くと、トロピカルジュースらしきものを両手に持ちながら、器用に猛スピードでこちらに走ってくる章三だ。

「あ、赤池君・・・」

安堵のあまり、涙が滲んだ。
思わず目の前のハンサムの存在を一瞬で頭から追い出し、章三に駆け寄った。

「赤池君・・・赤池君ー!」
「え、ちょ、葉山・・・まて、待て!僕飲み物持ってるから!!」

章三はそれでも走りを止めないのを見ると、素早く飲み物を地面に置き、慌てて両腕で飛び込んできた託生を受け止めた。

「赤池君、もう、遅いよ!どれだけ待ったと思ってるんだよ」

あまりの安堵感に、特に違和感を抱くこともなく抱きついてその肢体と豊満な胸をぐいぐい章三に押しつけた託生は、どんどん赤くなっていく章三の顔色には気づくはずもない。

「お、お前がうろちょろするからだろ。待ち合わせ場所からどれだけ離れてると思ってるんだ。飲み物買ってから探す時間の方が長かったぞ」
「あーそれは、色々ありまして」
「なんだ、いろいろって・・・それより、あの男はなんだよ」

章三の視点が、抱きついた託生の肩越しに、後ろの方を眺めている。

あ、すっかり忘れてた。
一瞬で忘れてた!

「あ、あの人にはちょっと助けてもらったんだ。えーと、すみません、助けていただいてありがとうございました!もう大丈夫なんで!」

慌てて英語に切り替えてギイに軽く頭を下げつつ見ると、こちらに大股で歩いてくる。

「彼氏?」

そしていきなり流ちょうな日本語で話し出した。

「日本語話すんだ・・・いや、彼氏・・・って?」
「君が抱きついているそいつだよ」

少々苛立ちの感じられる声音で詰め寄られる。
託生は、指摘されてあわてて、章三に巻き付けていた腕を解いたが、章三は託生を抱きしめたままだ。
章三が不満そうな表情になるが、見ていない。

「だって、さっき恋人だって言ってたし、いきなり抱きつくし」
「なんだ、お前。僕は、・・・もちろんこいつの恋人だ」
「赤池君!?」

信じられない思いで章三を思わず見たが、おそらくこれは話をややこしくしないための、章三なりの考えなのだろうと思い至る。
きっとこじらせる前に、託生をつれてホテルに戻るつもりなのだ。




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このままだと、飲み物買いに行ったまま、託生君を放置して間男たち(?)に群がらせている章三君の株が著しく下がりそうなので、夏休み前にこちらだけUPさせていただきました。
いや、ギイタクなんですけどね・・・(笑)
もう、やっと章三登場です!遅い!託生君、さぞかし安心しただろうと思います。
でも健全な男子に、お胸を露骨に押しつけたら・・・あわわ。
理性を試される章三君、そして明らかなライバル登場で嫉妬MAXギイでした。

8月10日の二つの記事へ拍手ありがとうございました。
また、しのさま、ごまりんさま、ちーさま、お優しいコメントありがとうございました。

R...さま、
7/2の記事「これは本当に書いたら・・・」の方に拍手メッセージありがとうございます!章タク、大丈夫なんですね。勇気を持って書くことができそうです。また休み明け、いつぐらいになるか分かりませんが待っていて下さるとうれしいです。